世界一間口の狭い家


 以前ワルシャワに建つ狭小間口の家についてブログで触れたことがあったのだが、それを見た友人から「こっちの方が狭いんじゃあないの」と教えてもらったのがスペインのバレンシアにある6階建の建物。

 

 写真で見る限り確かに巾1mと少しくらいにしか見えない。ただし、これは地球の歩き方バレンシア特派員のブログに掲載されていた記事によるもので、「バレンシアの旧市街、観光客でにぎわうとある広場に面し、地元では世界一間口の狭い家と呼ばれている」との説明があるものの、もちろん平面図などないので、奥がどうなっているのかはわからない。ひょっとしたら、狭いのはこのファサード部分だけで奥は広い、いわゆる旗竿敷地になっているのかもしれないが、奥行き全てがこの間口の巾だとすると、6階までどのようにして上がるのだろうか。どなたかバレンシアに旅行する機会があれば、是非とも確かめてきてほしいものである。


 更にもう一軒、メキシコはミチョアカン州ウルアパンの家。両脇の建物と一体となって、真中だけが立ち上がっている一軒の家ではないかと思えなくもないのだが、「間口が1.42mで奥行きが10.2mの3階建」と説明されている。LABRAVAというメキシカンショップのホームページ中のメキシコノートという記事に掲載されていて、「4坪強の細長いスペースにベッドルームやキッチン、バスルームと全てが揃っている」という説明が続いていることから、おそらく狭小間口の一軒家なのだろう。こちらは何とか階段は確保できそうな気がする。


 それにしても、破風部分のデザインや屋根に取り付けられた小物、茶と白の配色など、遊園地のようでなんとも楽しそうな家である。


 こうしてみると、ウサギ小屋と揶揄される日本の住まいも、世界的に見れば決して珍しい存在というわけではないことがわかる。広さが確保できるにこしたことはないのであるが、ようはそこで豊かな暮らしが営まれているかどうかが大事だということなのだろう。 

(2013/04/05)