不思議なプレ-オフ

 このところとんと御無沙汰しているゴルフであるが、男子プロのトーナメントで45ヤードのプレーオフが行なわれたというニュースにはびっくりした(9月9日のトーシントーナメント)。


 二人の選手により574ヤードのパー5の18番ホールで行なわれたプレーオフは1回目で決着がつかず、日没のため投光器を使って2回目はグリーン手前145ヤード地点から始め、さらに100ヤード、45ヤードと距離を短くしてやっと勝負が決まったという次第なのであるが、素人のアプローチ合戦でもあるまいし、プロの試合でこのような決着の付け方が果たして良いものであろうか。


 石川遼君も数日後の新聞のスポーツコラムでこのプレーオフに対して、ゴルフは暗闇の中で行なうスポーツではない、と問題提起をしていたが、至極最もなことと思う。


 おりしも同週の米国女子トーナメントでは、同様に2人のプレーオフがもつれて日没となったのだが、翌月曜日に引き続き再開して決着をつけている。彼我の違いをあまり言いたてたくはないが、勝負事はやはり誰が見てもクリアーな方法で進めることが肝要である。運営サイドの都合とか何とかでスポーツ本来の姿がゆがめられることは何としても避けてもらいたいところである。


ちなみにこのとき負けた池田勇太選手は前週に続いての2位、彼は更に翌週の試合でも2位となり、3週連続2位という珍しい記録を作っており、さぞかし不思議な負けを味わったことと思うが、勝った呉阿順選手にしてもおそらく不思議な勝ちであったことであろう。

(2012/09/20)